弥生月二十四日
富士山が
一週間ぶりに顔を出した。
はらはらと散り始めた桜を眺めていると
この言葉が浮かんで来ました。
『もののあはれ』は
可哀相なことでは無く
物事が移り変わって行くさまの事であると
昔、古文で習いました。
『諸行無常』は仏教から来ているようですが
『もののあはれ』は
やまと言葉で柔らかい感じがします。
急に日常の花鳥風月を書き留めたくなったのも
『もののあはれ』を記録したかったかも知れません。
河口湖に流れ込む川を泳ぐ
真鴨のペア
冬には湖で群れていた鴨たちも
あるものは北へ帰り
あるものは残って命の営みを繰り返す。
野鳥を見るたびに
『産めよ殖やせよ、地に満ちよ』
あ、空に満ちよかな？
そう思い、祈ってしまう。
真鴨
雄が青い頭をしているので
青首などと呼ばれます。
今の時期
雌が葦原などに丸い巣を作り
毎日ひとつづつの玉子を産み
12個くらいで籠ります。
雄は常に近くにいて
雌が巣を離れて捕食するときは
代わりに玉子を守ります。
一ヶ月後、ヒナがかえると
雄は追い出されるか、自分から去っていきます。
目立つ雄がそばにいると
ヒナが危険に晒されるから。
六月くらいになると
母鴨を先頭に、この川を一列で泳ぐ可愛い姿が見られます。
毎日楽しみに数を数えていると
やはりカラスなどにやられて
最終的には二羽か三羽くらいの
親と同じ大きさの育ったヒナの親子を目にします。
もののあはれ
来年はそのヒナが
今度は親となり
この川を遡る。
今日のソメイヨシノ
今日のフジザクラ
