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Channel: トヨタマヒメ富士日記
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森の宇宙 0531

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今朝の

忍野富士。


これから西湖に向かいます。

えええ?
足、怪我したんじゃないの?

通常のツアーガイドはまだ出来ないんだけど、
わたしたちネイチャーガイドには
当番制があって
1日いて、飛び込みの方をご案内する1時間のガイドツアーがあるんです。

昨日からわたしは復活しています。

おふたりとかをゆっくりご案内するので


それならわたしにも出来そう、
それで昨日から何本かのツアーをやらせて頂いています。



ゆっくり歩くと
色々なものが見えてきます。


コアジサイはまだ蕾。
薄紫のキレイな花を咲かせます。




ここ、青木ヶ原樹海は、
地衣類や、苔、羊歯の宝庫です。

左は“ウメノキゴケ”
南方熊楠さまが発見した、地衣類です。

右はシノブゴケ、
コケといいながらシダの仲間。

どちらも雨に濡れて
ウレシイ、ウレシイ、と
揺れているよ。



しばらく歩くと
この時期ならではの楽しいものを見つけました。


上は、ハマキチョッキリの作った揺籃(虫のゆりかご)
下は、ヤマナラシの葉。この葉っぱを巻いて作ります。

葉っぱを巻いて揺籃を作る虫の代表も
クリの木の下に
いました〜〜!



上は、オトシブミの作った
かなりな精巧な揺籃(ようらん)!
あたりには、クリの葉っぱの先端が落ちていました。(作るときに不要なので切り落とす。)
まさに芸術品!
ものすごいテクニック。

オトシブミは2〜3ミリの甲虫で
お母さんオトシブミがひとりで巻くのは
人間に例えると
50畳カーペットをひとりで巻く感覚。

この小さな小さな甲虫の
画像を、お借りしましたよ。


左、ナミオトシブミ。
クリの葉を、まさに巻いています。

右、ドロハマキチョッキリ。
葉を巻く画像は見当たりませんでした。

幼虫も、成虫も
木の葉っぱを、食べて暮らします。


葉っぱを食べられて
木は嫌じゃないのかな?

いやいや、
木という生き物の不思議…

葉っぱを木の三分の一の量、食べられることを想定しているそうで。
そのくらいたくさんの葉っぱを茂らせる。
虫たちにさし上げている感じもします。

そのかわり
虫に花粉を運んでもらったり
その虫を食べる鳥たちに種を運んでもらったり…,

虫がいないと
虫を食べるものたちが生きていけない。

弱肉強食、というよりは
すべて大調和のバランスにてなりたっているのだわ。

自然から学ぶことは多いのです。




これは?

二つに葉を折って食べる
ムササビの仕業。





雨が上がると
キビタキ、
アオバト、
ミソサザイがさえずりをはじめたよ。

彼らもまた
忙しい忙しい
いのちの季節を迎えています。


アオバト。
画像をお借りしました。




小さな森の宇宙の中で
こんなものを見つけた。


この子たちも雨が好き。
ヒノキオチバタケ。

落ち葉や落ち枝など
小さいものを、小さいきのこたちが分解してくれます。



あれれ?
森の中に、人工物?



数日前まで
シャンとしてたギンリョウソウが
すっかり種をつくり
短い命を終えるところです。



こちらはまさに“満開”のギンリョウソウ。
わずか一週間の命。
また、来年も楽しませてね。




樹海を出ると
こんなものに出会えた。

右、ヤブウツギ
左、蝶の仲間。なんという名前?
(わかった方、教えてくださいね!)



そうして
今日の主人公は
この木の花かな。


山法師(ヤマボウシ)

パラソルを広げたみたいに
みんな上を向いて咲いている。

これは空を飛んでくる虫たちに
ここに花粉と蜜があるよ!と教えるための
看板なのですね。

白い四枚の花びらに見えるのは
“装飾花”といい
花びらじゃなくて、
葉が変化したもの。

真ん中の薄緑の地味なのが
ほんとうの花です。

ものすごい誇大広告???

だけどいいじゃない?
虫には甘い蜜をあげるよ。
花から花へ
虫に飛び回ってもらえれば
受粉もしてもらえる。

秋には甘くて赤い実がたわわに成って
今度は鳥たちの出番。

鳥たちは甘く美味しい実をたらふく頂いて
種を運んであげるんだ。


すべてはうまく行っています。

森の宇宙のその中で…。



わたしたちはそんなドラマを
こっそりと、そっと
見せて頂くのです。






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