青山の交差点
といっても
港区じゃなくて…。
T字路を通り過ぎる。
いよいよ、人生初めての
『津久井 青山』だ。
いや、津久井だって
生まれて初めてかもしれない。
いやいや
サムカワさまだって
ザマや、アルカだって…
それだけじゃない。
熊野も、
遠江も、
新潟の長岡や栃尾だって…
すべて生まれて初めての地。
なんだって、ご縁することになるんだ?
いや、なぜわたしはここにいるんだ?
いつも、時折そう思う。
しかし
青山神社は
ええええ?
この日は割合はっきりした目的を持っていた。
雛鶴姫の足跡を追っているのだ。
大塔宮さまの『みしるし』を持って
ふたりの従者、宗忠さん、小太郎さんと共に
鎌倉から出発して
ここ、津久井の青山のとあるお寺に身を寄せる。
そのお寺の名が『光明寺』
『姫さまに優しくしてくださったお礼を言いたいのです。』
そう言って今日は一緒に来たいと言っていた渡辺夫妻の分まで
わたしとみなで、お礼を言わなくては。
この津久井での雛鶴姫さまの痕跡を見つけてしまったmioさんが
青山に入って、まず連れていってくださったのは
そのお寺の目と鼻の先にある
とある神社さんだった。
『青山神社』
じつはここが
ものすごく重要な場所であったこと
わたしたちはまだ知らない。
あれ!
織姫と彦星みたいのが、いるよ〜!
神社の駐車場で迎えてくれた
デカデカとしたそのお姿。
満月だね!
そう、この日は満月なのだ。
『櫛川姫です。』
と
mioさん。
ん?
んんんんん?
奴奈川姫なら聞いたことあるけど
櫛川姫???
月夜野っていう場所があるけど
そもそも、津久井という地名は
そこから来ているんだそうだ。
『津久井の三姫物語っていうのがあるんです。
櫛川姫はね、ある晩、美しい笛の音に惹かれて、ある若者と恋に落ちてしまって…』
ん???
三姫物語?
え!
それって、雛鶴姫も入ってない?
入ってます!
きゃー‼
そうなのだ。
以前、
『雛鶴姫』を調べていた時に
三姫物語、出てきたなあ。
それが、この地
津久井だったんだ!
雛鶴姫
折花姫
櫛川姫
(こちらでは、紙芝居を見ることができます。)
青山神社は
昔は、諏訪神社
だったらしい。
ええええ?
また〜?
建御名方神
木花之佐久夜姫
日本武尊
火の鳥がいるんです、とmioさん。
ほんとだ〜!
わかりますか?
二羽いますよ!
本殿の前で撮った画像
四枚あるのだけど
全部、白くなった!
絶対、ヘン‼
ひょい、とmioさん、登って行く。
『シリウスの森なんです。』
この背後から眺めると
青山の集落が見渡せて
七百年前
雛鶴姫が、その様子を
『十津川に似てる…』
と、安堵するくだりがあって、
そこがどこだったのだろう、と
Aちゃんと話していたのだけど
『ここです、ここ!』
わたしも
うん、うん
と、頷く。
ここからは
これから行く
その『光明寺』も見渡すことが出来る。
相模原市(旧 津久井郡) 緑区 青山。
ミドリノクニ
アオノクニ
十津川につながる…?
大塔宮さまと雛鶴姫さまが
幸せに暮らしたという
十津川に。
そして
いよいよ
『光明寺』へ‼