ひふみよいむな
やこそもちろらね
一二三の数え歌でいうと
十一
は
なんと呼ぶのだろう。
島弁天の祠に近づいたとき、
わたしはそのようなことを考えていた。
十一の玉。
ここで、今日
一つの玉になるのだろうか。
Nはまず
遠方から持ってきた
お水を撒き始めた。
わたしは石の奉納しか思いつかなかったけど
ここは島弁天。
豊玉姫であろうが
玉依姫であろうが
水の神
海の神
湖の神なのである。
そうか…。
祠の周りにNがお水を撒き終わると
わたしは、持ってきた石を置いた。
白い石は
川上村『クリスタルの山』の石
右のオレンジのは
アルカ神社奥宮の水源にあったアルカ石。
下の赤いのは
富士山の溶岩
左の黒いのは
十勝石。
すると真ん中に
Nが
『天眼石』なるものを置く。
龍の目
なのだという。
Nが、ミッションを始めた。
何かを左右に開く動作をした。
なかなか
開かない。
しばらく続けると
うわっと
開き
温かいエネルギーがどっと流れてきた。
七色の光とともに。
何かが
産まれたのか
それとも
統合がなされたのか。
今まで
別々だったもの。
それが、合体して
ひかりが産まれた、
いや
もとに戻ったのだ。
印として
祠の下に
十勝石を埋めた。
永遠に
ここにいておくれ。
ここからのお山は
大木がそびえているけど
縄文の昔には
何もない盛り上がり。
大切な
大切は
祭祀の場所。
お山とここをつなぐ
南北の聖なる龍脈。
ここは
龍穴。
さて
これで終わりではない。
わたしたち三人は
緩やかに、スロープをおりて行く。
先ほどは
空っぽだった、その場所へ。
(このお話は、フィクションです)