この石室のうえに
小さな祠あり。
回り回ってどうしたのか
わたしはその上にいた。
新緑が雨を含んで
濃密な空間を形作る。
ふと
『すみません、関係者以外は入れないんですけど、』と関係者が声を掛けてきた。
すみません、といいながら
あれ?
わたし、関係者なのだけど、
そう感じる自分は変だ。
どなたの関係者なの?
わたしは?
大王の見張り台、という場所に登る。
辺りを
軽く探索すると
鯉ではない、まるで鮫のような魚が
わたしの下をぐるぐる回り始める。
これは
不思議な感じだった。
でも
考えてみれば
わたしは、ワニザメの親分だったな。