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Channel: トヨタマヒメ富士日記
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ココロの旅  「生き物として・・・」

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「男は決して大人になることはない。

大人になれるのは

女だけだ。」






これはのちに山中湖でお会いできた「コエン・エルカ」さんが

その著書「生き物として忘れてはいけないこと」の中で書いていた衝撃の一言だ。




http://www.aritearu.com/Influence/Native/NativeBookPhoto/eruka.html



「いつから大人になるの?」

「どうしたら強くなれますか?」

「どうして学校に行かなくちゃならないの?」

「いじめをなくす方法はありますか?」

「なぜ働くの?」

「植物も痛みを感じるの?」

「ライオンはどうして肉食なの?」

「どうして年をとるの? お年よりは大切にしなければならないの?」

「すぐに病気を治す方法はありますか?」

「どうして男と女がいるの?」

「外国の人と言葉が違うのはどうして?」

「なんで戦争はなくならないの?」

「どうして生き物は死ぬの?」

「自殺はいけないことなの?」

「死んだらどうなるの?」

「どうして人を殺してはいけないの?」




希代のストーリーテラーである、呼衍・恵瑠賀(コエン・エルカ 別名タシナ・ワンブリ、イレーヌ)さん。中央アジアの騎馬民族の家に生まれ、アメリカ・インディアンの中で馬たちと一緒に育ち、若いときに縁あって日本にやってきた。今も野生と美しい物語を生きるひと。前回2009年1月にほびっと村にいらした時の物語は、仏陀の前世物語『六牙象王』。今回は法隆寺にある玉虫厨子(たまむしのずし)の側面に描かれているという、『捨身飼虎図』(しゃしんしこず)が題材だという。象から虎へ、仏陀の生まれ変わりのさまざまな物語はどんな変容をとげて、私たちの胸に響くのだろう。


中央アジアの騎馬民族の家に生まれ

ネイティブアメリカンとして生きた彼女がそののちに

狼の群れと暮らし

そののち、日本に来て

現在は秩父の山奥で、たくさんの野生動物や犬や猫たちと暮らしている。

とくに疥癬病にかかったキツネやタヌキなどを治療して

自然に帰す活動をされているらしい。



{42B23267-ACFC-43AC-A21C-AB9225071851:01}

コエン・エルカさん)




その敬愛する方の話しもたくさんしたいのだが

また機会があれば書くとして

今回は1988年の「男は決して大人になれない」の話をしたいと思う。






この話しを書くことは、またたくさんの誤解を産むかもしれないし

ひとを傷つけて生きてきたわたしという人間に対して

がっかりされることもあるかもしれない。

それを承知で、書いていこうと思う。











前回までの話




「わたしは奥さんのいる人とはつきあわないの。」




そういってSとお別れしてから一週間、

電話は鳴らなかった。




やはりなんだかんだといっても、男はそんなもんだ。




わたしは父を失い、五年付き合ってきたYを失い

ついでにSも失ったのだ。




三人の男たちはわたしの前で

扇風機の羽のようにぐるぐると虚しく回っていた。

みんな嘘ばかりで、誰もわたしのそばにいてくれることはなかった。

みんな、平気でわたしをひとりぼっちにするのだ。




やはり男なんて信じられない。

だいたい、信じるほうが間違っているのだ。




いつものように、会社の退社時間となり

まだ残暑がきびしい季節だっただろうか。

このころはだいぶ色々なことが落ち着いてきた。




それで

またしても、帰り真際に電話が鳴った。

またSだった。一週間ぶりの電話だ。




話しがあるという。




そのころお気に入りだった西麻布のメキシコ料理屋で待ち合わせをした。

ここのマルガリータは絶品だったので。




「この間、久し振りに○エと食事にいったんだ。」




わたしが「奥さん」というと、Sは怒った。

○エという名前があるんだ!

それでわたしは○エさん、と呼ぶようにした。

確かにそうだ。

一度わたしたちのショーの打ち上げで紹介されているのだから。




「そう。良かったね。」

それ以上、わたしはなんといえば良いのか。




「すごくいい子なんだよ

すごくいい子なんだ。」




「・・・・・・」




「全部わかってもらったんだ。

それで

家を出てくれることになったんだ。」




「でもそれには時間が欲しいっていうし

新しい住むところを探してやることになったんだ」




「だから、もう少し待って欲しい。」




そうして

Sは繰り返し、繰り返し

わたしのせいでは無いのだ、と言った。

自分たち夫婦はすでに破綻しており

わたしが現れなくても、いずれそうなったのだと。




わたしはSの決断に度肝を抜かれたが

わたしのせいではないという彼の弁明は

わたしの心を楽にするには充分だった。




それこそがわたしが落ちた罠。




○エさんをはじめとして

その周りを巻き込んで

わたしはけっして抜けることのない、深い迷路に迷い込んでしまったのだ。




今思えば

男は永遠の子供であって

その人生という遊びには

決して本気でつきあっていてはならなかったのだ。




気がついてみたらわたしは

誹謗と中傷のただ中にいた。








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