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クマよ… 0209から思うこと その①

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星野道夫さんの

“クマよ”


星野道夫氏は、アラスカ・クリンギット族のクマ族の長老と出会い、彼の魂は古いクマの一族のメンバーであると告げられ、一族の一人と認められました。 

そしてその後に、クマに襲われて亡くなりました。 

このことを、彼のまわりの人々は、彼の不注意によるものとは考えず、もっと深い運命だと考えました。 

クマ族の人はこう語りました。 

     ***** 


我々はみな、母の子宮にいる時から、すでにある使命をもっている。 
ある者は長い人生をへてその使命を知り、ある者はごく若いうちにその使命を自覚する。 
ミチオは若い時からその使命を知っていた。 
自分の守護神がクマであることを知っていた。 
熊がなぜクマの命を奪うのか? 
そのことをわたしはなんども創造主に聞いてみた。 

答えはこうだった。 
ミチオは自らの命をささげたのだ。 

友人として彼の死はとても辛くて悲しい。しかしこれは癒しのプロセスなのだ。 
われわれは今癒しの時代に生きている。 
われわれが背負わされてきた様々の心の呪縛を断ち切り、ライフスタイルを変え、罪の意識、恥の概念、怒りの感情を癒し、孫のそのまた孫の世代に正しい道を示す責任がある。 

ミチオはそのことを知っていた。 
それが彼の役目、と言うより人生そのものだったのだ。 
彼の旅はまだ先へ先へとすすんでいる。 
もし悲しみのあまり彼の魂をひきとめると、彼はこの世界に留まり旅が続けられなくなる。 
だからわたしは魂を送る火の儀式を行い、これから始まる魂の旅を祝福したのだ。 
ひとりの人間として、彼は自分の運命を自分自身で選び取ったのだ。 
     
    (龍村仁著「ガイアシンフォニー第三番・魂の旅」より) 



もう20年以上前になります。
ガイアシンフォニー3番を観たのは。

星野道夫さんが大好きだったわたしは 
彼が羆(ヒグマ)に襲われて亡くなった話はショッキングでしたが、

それも、これも
きっと
意味があるのだ、と思ったことを思い出します。







この話は
星野道夫さんがアラスカでヒグマに襲われて命を落とした、という
リアルなお話なのですが  

何故だか今日は

宮沢賢治の
『なめとこ山の熊』の童話を思い出しました。




全ての生きとしいけるいのちが
この星にともに生きている…

なんだか、そんな当たり前のことが、
今日は心に沁みます。










(ツキノワグマの赤ちゃん)

なんで、こんなに
心が震えるのだろう。

今現在
生態系の頂点にいる彼らだというのに。


今日は
富士山科学研究所で行われた
スキルアップセミナー
『森林とのつながりから見た ツキノワグマの生態』というセミナーが行われまして

小池伸介氏という
なんと!今日40歳の誕生日を迎えるという
若き研究者のお話を、聞いてまいりました。


イケメンです。

こんな活動にも関わっていらっしゃいました。



今日のお話を、どこから綴ったら良いのか…

まずは、
この地球のクマたちのこと。

この惑星には
八種類のクマの仲間がいるそうです。



八種類って
多いの?
少ないの??

わたしは、え?
そんなに少ないの??って思いました。

それらのほとんどが、
北半球に生息していて
しかも、ほとんどが寒帯に近いところ。

つまり、基本的に“暑がり”なそうです。

例えば、
ヒグマと呼ばれるクマの仲間は
こんな感じの生息域



北方系の生き物なんだね。

さて、
わたしたちの国には、
二種類のクマが生存しています。

北海道にいる
『羆(ヒグマ)』と

本州にいる
『ニホンツキノワグマ(日本 月の輪熊)』


ツキノワグマは
“ムーン ベア”なんてステキな名前で呼ばれていますが、


正確には
『アジア クロクマ』が 正しい名称のようです。



これが
『アジア クロクマ』

わたしたちが『ツキノワグマ』と呼んでいる
本日の主役です。

その
アジア クロクマの
分布図です。


かなりの確率で
絶滅の可能性が高いのです。


タイトルの
『森林とのつながりから見たツキノワグマの生態系』は

わたしたちの国土で
ツキノワグマが、実は森を作っているのだ、
という
ほとんどの方たちが知らない彼らの役割を
20年 調査と研究を重ねてきた
小池氏が、解き明かします。

そんな研究の成果のお話は、大変興味深かったのだけど
わたしは、小池氏が言った、ある言葉を聞き逃しませんでした。

『朝鮮半島では、クマはカミなので、
絶滅しかかったとき、再導入したんです。』

えええええ?

クマはカミですか?

絶滅しかかって、再導入したんですか???

もう一度
この、分布図を見てください。


ツキノワグマは、
九州では、2012年に絶滅確認がだされました。

四国では、時間の問題。
四国のツキノワグマは、野生では20頭しか生存していないそうで。

だからといって、
ツキノワグマを“再導入”(つまり、健全な生態系を維持するために、本州などからツキノワグマを導入する)に賛成する人は、ほとんどいないそうなのです。

これは
ニホンオオカミとエゾオオカミを絶滅に追いやった
わたしたちの『人間勝手』に共通するもののような気がします。

“人間の安全と平和だけが大切”
という考えは
自分の国を守る、とか
家族を、守る、と言った
父性性に基づくもののように
わたしには感じられます。

そして
“生きとしいけるものは、みな兄弟姉妹”
といった、全体性の発動である感性は
母性性に基づくものに思えるのです。

もちろん、父性性が悪いとか、母性性が良いとか
そういうことではなく、
男性、女性の肉体の性に関わらず
誰しもの中に
父性性と母性性が存在していると思うのです。


わたしは
それぞれの中にある、母性性を発動することによって
生きとしいけるものが
この惑星の中で
共存して行く道を見つけられるのではないか?

そんな気がしてきたんです。

“クマ”
という生き物は
わたしたちに
それを、教えてくれる
シンボルアニマルなのではないかしら?




どうやってクマが森を作るのか?

なぜ
ブナは森の父であり
クマは森の母なのか?

そのステキなお話は
次の機会にさせていただきますね。













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