三日目。
光が美しいので
と、
写真家は
また、樹海の奥へ奥へと
いざなわれる。
三脚を広げるところは
ほんとうに美しい場所。
かと思えば
『人間の痕跡』
不思議なことに
彼がこちらに行きたい、というところには
必ず、何ががあるのだ。
背負子や、寝袋など。
この三日間で
幾つ見つけたかはわからないけど
ただ、闇雲に歩いたって見つかりはしないだろう。
写真家には野生の勘みたいなものが備わっていて
それが、天才と言われる所以なのだろう。
もう日が低くなってきた。
太陽はほとんど真西に向かうこの時期
そろそろ終了にしようというガイドたちに
写真家は
最後にどうしても行きたい、という場所に行くことにする。
西へ
西へ
太陽の沈む方向に向かって
写真家は
とりつかれたように進む。
すると…
その先には…
これには空いた口が塞がらなかった。
彼ははじめ
マリア像を探したい、とのリクエストをよこしたのだった。
マリア像は見つからなかった。
そして
最後の
最後の
瞬間に
樹海に
地蔵菩薩とは!
思えば
ずっと
地蔵菩薩が来てたんだった!
マリアさまが転じて
地蔵菩薩…。
陰陽の森は
これで完結したような気がしました。
3月22日