富士五湖の中のひとつ
K湖に浮かぶ、『鵜の島』は
風光明媚な場所にある無人島。
しかし
富士山周辺の中でも
重要な地であるみたいなのです。
縄文から弥生、そして古墳時代までの遺跡が折り重なっており
明らかに人工的な石積みの島は
古代の祭祀の気配に満ち満ちています。
これは、
そんな
鵜の島を舞台とした
物語です。
『鵜の島』を、Nが
気になる。と思ったのは
旅行で、K湖へ訪れた時のことだ。
K湖の湖畔で浄化を行っていたとき
目の前の、『鵜の島』が
どうも気になって仕方が無い。
かと言って
漠然としているだけで
何がなのだかはわからない。
そのことを忘れていたのだけど
6月に再び訪れたとき
その感覚を思い出していた。
いつか、行くことになるのだろうな。
7月11日
諏訪の
とら
と
ちひろは
この日が天赦日であったので
朝から何処かへ出かける予定でいた。
各地で、龍の解放に回っていた彼らのグループは
富士山の二合目
御室浅間神社神社にいた龍が
里宮の宝物殿に
首に縄をつけられて閉じ込められているを感知し
その解放の、赦しを乞うため
富士山二合目に向かうこととした。
ここまでが、前回のあらすじ
(って、なんじゃ?
聞いたこともないぞ…!)
(ここからが、いよいよ
完全なるフィクションとなります。)
フジコの息子Mは
小さいころから、不思議な言動を繰り返していた。
三歳を過ぎたころから
それがますます激しくなってきた。
そんな息子の不思議発言を
フジコはいつも楽しく聞いていた。
一週間前の話である。
鵜の島が気になるという遠方に住むNと
仲良しのYと
三人で、鵜の島に行くんだよ
という話を息子にしてみた。
そうしたら
こんなことを言う。
『玉は11個あるよ。
全部揃うと1つの大きな玉になって、小さい神様が、金色の綺麗な美しい神様になるんだよ、Yさんが。
(玉の色は)
赤、ピンク、黄色、緑、黄緑、青、水色、紫、黒、白、オレンジ』
Yとは
わたし、とよたまひめのことである。
その話を聞いたとき
わたしは、
虹の七色って、何だっけ?
と思い
とっさに調べてみた。
数日前
河口湖の駅前で
大きな二重の虹をみたのだった。
虹というのは
連続した色の帯なので
連続しているものを
数えることは出来ない、ということだ。
日本人の考える
虹はこの七色である。
そういえば
とらは
御室浅間神社の宝物殿にいる龍は
虹の色だといい
富士山の龍は七匹の龍が合体している
とも言っていた。
四才のMのいう
11個の玉の色は
虹の色の七色
プラス
黄緑
ピンク
そして、
白と黒だ。
妙だなあ。
黄緑は虹の中に組み込まれるとして
ピンクの玉
白玉
黒玉
これらはどこからくるのだろう。
鵜の島に、十勝石を奉納しようと思っていたわたしは
あ、
これが黒玉かしら?
と、思った。
7月24日
その日が訪れた。
Nと
フジコ
そしてわたし。
何が起こるのだろう。
早朝に真っ先に行った
御室浅間神社の宝物殿で
そこに閉じ込められているという
暴れん坊の龍を
Nはすでに出していた。
(それはあとから知ったのだけど)
子どもだな…
と
Nは言った、
そして
それは、紫の龍だという。
そしていよいよ
鵜の島に向かう。
『大岩』という
釣り舟やの親父と話をしようとしていたとき
わたしのiPhoneが鳴った。
諏訪のとら
からだった。
(続きます)