8月5日がやってきた。
この日は毎年
富士五湖花火大会のラストを締めくくる
河口湖の湖上祭の日。
忍野村に引っ越して
初めて迎えるこの日。
庭に四つの百合の花の蕾を発見したのだけれど
今朝、
すべて開いていた。
園芸種の、ソバカスのない百合だったのが少々残念だけど…
清楚なま白き百合の花は
今宵に相応しい。
あれから、四年。
東日本大震災で亡くなった方への鎮魂の意味を持つ、河口湖の湖上祭は
いつになく派手で
花火に驚いたわたしの愛犬が
今まで決して飛べなかった庭のドックランを飛び出して
車にひかれ、あえなく
9歳8ヶ月の命を落とした日、なのだ。
次の年から
わたしは地元の河口湖を、この日だけは離れて過ごした。
湖上祭の、花火の音すらも、
聞くことが辛かったのだ。
今年は初めて、
忍野村で過ごすこの日である。
失った命と、その痛みは
決して忘れることは無いけれど
違う土地へ行くことで
記憶は昇華されて行くのかも知れない。
彼が休みだったので
畑仕事を共にすることにする。
今日、ようやく掘り終えた。
この、アンデスレッドは彼のお気に入り。
何とかやっとの菜園の収穫。
ジャパニーズハーブもいい感じ。
採れたて野菜でテラスでBBQ。
と、
富士山の周辺に
不思議な雲が先ほどから現れては消える。
ね、見て!
あれは、コイタローだよ.
こっち、見てるよ…
違うよ、ただの雲だよ。
わたしが写真を撮ると
撮れた?と聞き
撮れたよ、というと
自分も撮り始めた。
ほんとだ…
コイタローだ。
この後、にわかに雲が湧き上がり
あっという間に富士山が雲に包まれてしまった。
20時ころ
ドーン、ドーン!
と
派手な音。
何と、雲が反射板の代わりとなり
河口湖の花火の音が
20キロ離れた忍野村まで
聞こえてきてしまったのだ。
しまった!
どんなに逃げようとしても
逃れられないのだ。
それが終わると
そらに満天のお星さま!
花火が空いっぱいに散って
星になるのだろうか。
コイタローのことを、今日は書こうか書くまいか迷っていたが
きちんと向かい合うことで
レクイエムになるのかも知れない、と思い
書いてしまいました。