5月17日のお話の
ラストになります。
(うわっ!引っ張るなあ…)
箱根に行ったのに
芦ノ湖畔の箱根神社にも
九頭龍神社にも
またしても、行かなかった。
一箇所だけ
ロープウェイに乗って
駒ヶ岳へ。
神山を臨み
大涌谷を感じる場所。
そうして
駒ヶ岳山頂で
火山岩を、五つ、拾った。
そこには、見たこともない
緑色ががった溶岩石があり
すごく綺麗で惹かれたもので。
4200年前の噴火で
露出した、ガイアの一部…
富士に持って行こう。
なんとなく
またしても、なんとなく
そんな事を思いつく。
駒ヶ岳を降りるときに
電話して、と友人に言われたので
山頂で電話をかけようとしたら
なんと、圏外だ。
富士山ですら、つながるっていうのに。
仕方がない。
降りたらかけよう。
下山してから、電話をすると、
迎えに行くのに時間がかかる場所にいる、と言う。
わかった。待ってるね。
しかし、何もない場所で座って待っていたけれど
最終のロープウェイも終わり
駅はひと気が無くなってしまった。
なんとなく、ひと気のある所に移動する。
心細くて、何度か電話するのだけど
『電源が入っていないか、電波の届かない所にいます。』とのアナウンス。
しばらく近くを探索していたら
すぐ目の前に
芦ノ湖があるのね。
駒ヶ岳ロープウェイの駅と芦ノ湖の位置は、こんなに近いんだね。
湖畔まで、歩いて行けるかな?
と、
九頭龍の図案が…
ん?
最近出来たらしき
禍々しい土産物屋だった。
入館料800円。
なんでもかんでも
商売にしてしまうんだ。
踵を返して
湖畔に向かう。
わあ!
芦ノ湖だ!
波があるのね。
湖なのに。
富士五湖にもこんなに波があったっけ…
触ってみる。
優しい水の感触、
でも、波がひときわ強く押し寄せる。
そうだ!
あの石を洗おう。
駒ヶ岳山頂の石。
波に浚われそうだ。
4200年前に噴火したお山の石と
その噴火により
4200年前に出来た湖。
火と水の出会い。
阿始ノ湖よ
あなたはナニオモウ?
思えば
旅のスタートは
ここだった。
ここもまた
富士の噴火により出来た
宇宙湖(うつのうみ)
水と水をつなげ
石と石をつなぐ
それは
どなたの意思なのか…
なんの意味があるのか
全くわからないのだけど
わたしはわたしのやるべきことを行う。
たぶん
そのために生きている
生かされているらしいのだから。
(おしまい)