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Channel: トヨタマヒメ富士日記
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東京大空襲をくぐり抜け(戦争を知らない子供たちへ)

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あのときに、
仙台のおじいちゃんがいなければ
わたしは死んでいた。

この話は、
おばちゃんからなんども聞かされた。

『たまたま』
仙台の兄が、東京にいて
深川の自分の家に泊まっていたという。

明日は共に
川崎で学徒動員している娘のところに
慰問に行こうね、と行っていた。

そんな時に
東京大空襲が起きた。

あたり一面
火の海で
深川にいたふたりは包まれた。

おばちゃんは、目が見えなくなってしまった。

その妹をおぶって
おじいちゃんは何処までも、逃げた!

そして、
次の日には仙台までふたりで逃げ帰ってきたということ。

おじいちゃんには三人の妹がいて
竹の、松の、梅の、と言った。
一番可愛がっていたのが
このおばちゃん
松のだったらしい。

竹のおばちゃんは、一ノ関に嫁に行き
父のふたりの姉は、この時
おばちゃんの采配で、一ノ関に疎開していた、というので
この戦火を免れたらしい。
父方と母方の見事なチームプレイ。

結局、この二つの一族では
亡くなったのは、父の妹とその家族のみだった。

父の妹は、他に嫁に行ったので
この二つの一族の『悪運強さ』からは
離れてしまったのかも知れない。


さて、
終戦を迎え

父が東京に戻ってきた時には

呆れるほどの焼け野原

『なにもかも…
燃えてしまったんだよ』

でも
護られたものがあった。

一ノ関に疎開していた、ふたりの姉と
たまたま兄がいたことによる、自分の妻の命。

焼け野原から
東京はやるのです。


わたしは、また
父の話しを思い出す。

焼け野原だったんだよ

ここから
富士山まで全部見えた。

何もかもが
焼けてしまったんだよ。

{2D1FCBF7-E31A-442B-9D6A-06EBC993AB27:01}


70年たって
すべては元通り?

いやいや
それ以上に
目覚しい
復興を遂げたかのように思える。

{AB9E26D5-125E-4CF3-85F8-1349FBFD0FCF:01}

でもでも
決して
忘れてはだめ。

戦争はなにももたらさない。

それを語るひとは皆、他界してしまった。


でも、まだ
母のように生き残っているひとがいる。

戦争の悲惨さを

いつまでも、語り続けて欲しい。

それをわたしは拡散する。

未来の子供たちのために。

戦争を知らない
子供たちのために。






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