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Channel: トヨタマヒメ富士日記
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ホトケドジョウよ、未来へ

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富士山の雪解け水、
あるいは降った雨は
山麓に湧き水となって流れ出し
小川となり
たくさんの命を育んできました。

この地方も、100年前に思いを馳せてみれば…

生活のためのエネルギーは
山から頂く薪や炭でまかない
命の要とも言える水は
豊富な湧き水や雨水で賄っていた。

そう、
火も水も
自然からの贈り物だったのです。

しかし、私たちの暮らしは
この100年で大きく姿を変えた。

今や電気、ガス、水道
蛇口をひねれば水が出て
スイッチ一つで煮た炊きをする暮らし。

いつしか、川は天然の下水道となって
汚れた水を海まで運ぶ水路となる。

生活雑排水、農薬、土に帰らないゴミ
それらが川を汚染させて

湧き水の恩恵にあやかっていた
たくさんの命たちが
絶滅して行く。


わたしの忍野八海巡りが終わり
メンバーのSさんが案内してくださったのは、
地元のかたたちの取り組みにより
100年前の姿を少しずつ取り戻して行く
湧き水の場所でした。

それは、1月20日に行われた
『鷹丸尾湧水群の自然・環境・景観の保全』をテーマにしたとあるセミナーの視察場所の四箇所。

その日にセミナーに参加できなかったわたしは
この日にSさんが再現してくださるとのことで
大変ラッキー‼

その二箇所目に訪れたのは、

わたしが忍野村に引っ越してから
いつもの通り道のほんの後ろ側が
その場所でした。

『ホトケドジョウ生息地』

聞いたことかある名だけど、
確か、絶滅危惧種???

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ここからはすっかり葉を落とした広葉樹の間から、富士山が望めます。

湧水池は流れがあるので
凍りません。

そして水を集めて小川となり
やがて桂川、相模川となって
相模湾へ。

この水もまた、海の水となる。

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冬季はホトケドジョウは泥の中に潜っていて、活動はしていないようです。

春になったら
コケティッシュなお顔がみれるかもしれません。

どんなお顔かっていうと…

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こちらから画像をお借りしました。

雑魚の水辺

普通のドジョウよりも、ずんぐりしている。
黄金色でが斑点がある。
おひげの数が違うのかな?
ドジョウは10本
ホトケドジョウは8本。
名前の由来はわからない。


かつては日本の湧き水や田んぼなど、流れのあまり早くない綺麗な水があれば
どこにでもいたらしい。

しかし
水路のコンクリート化、
農薬の使用、水質の悪化など
様々な要因で激少したとのこと。

忍野村は、ホトケドジョウが住んでいる場所がもっとも多い、と頂いた資料にあったけど、富士山北麓で、なのか
山梨県なのか、
全国なのか?聞くのを忘れてしまいました。

なにしろ
豊かな自然が残っている証しなのだけど
それは、2009年にこの湧水池をドジョウが住めるように整備した地元の方たちの努力の賜物なのだという。

すごいぞ!人間‼

自然を破壊するのも人間
知恵を出し合って復元するのも人間。




そのあとは道をまたぎ
鶴池へ向かいます。

わ!ここ名前が気になっていたんです。

ここは阿原川の源流になっています。


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ここからは杓子山の山頂が見える。

そして、忍野盆地にはたくさんの
葦原があるのです。

豊葦原瑞穂国(トヨアシハラミヅホノクニ)です。

少し小高いところは乾燥を好むススキが生えて
低いところには湿度を好むアシが生えていて、上手に住み分けをしています。

葦原(アシワラ)を結んで行けば
古代の湖の形が浮かび上がるかも知れません。


『あ、温かい!』

M子さんが湧き水に手をいれて叫びました。

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わあ!本当だ!

わたしも真似してみる。

それは大地の地熱の温かさなのでしょうか。

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ここもまた
平安時代に流れた溶岩流の下から流れる
富士山の水なのか
それとも、あの宇宙峰、杓子山の
山から滴る水なのか…


いずれにしても
自然からの贈り物、
尊い、愛しいお水。


これからもたくさんの命を育んでいって欲しい。


機会を与えてくださった
Sさん
われらがNPOの仲間たち
こられの場所を保全している
NPO法人富士おしの名水倶楽部の皆さまに感謝するとともに

自然よ
水よ

ありがとうございます。

大切にしますね!

ホトケドジョウほか
水に住まう生き物たちよ、
地を這うものたちよ、
空を飛ぶものたちよ、

ともに100年先の未来へ行きましょう!






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