その場所は
予想外の感動と興奮を
わたしに与えてくれた。
水族館なんて
嫌だなあ、と
ずっと思っていた。
動物園も
水族館も
生き物に不自然さを強要している場所は嫌だなあ。
生き物たちの気持ちが伝わって
哀しくなってしまったらどうしましょう。
これには理由があって
20年くらい前に
バリ島や石垣島を
シュノーケルで潜ってからは
水槽のお魚が可哀想で見ていられなくなってしまったのだ。
カゴの中の鳥、も同じだ。
富士山に移住して
野鳥たちの生態なりを観察するようになってから
狭い鳥籠で鳥を飼うことは
それこそ『言語道断』と感じてしまうこととなった。
ところが
そこは小さな海の宇宙であったが
思いのほか
たくさんの魚たちが
楽しげに泳いでいるのを
確かに感じたんだ。
繰り返し
わたしとアイコンタクトをして
また、戻ってくる。
それが
彼らが生き生きと回遊しているように
わたしには感じられた。
他にもお客さんがいて
『わあ!亀だ~』
とか
『鯛だあ!』とかいうたび
つまり人が喜んでいると
彼らもまた、楽しく回遊しているように感じた。
もしかしたら
安全な場所で
温度や環境も管理され
天敵に脅かさせる心配もなく
三食昼寝付き的な生活。
そしてなにより
子どもたちや女性たちが自分の姿に
狂喜乱舞する
そんな暮らしを
心より愉しんでいたりして???
なんだか、
自分が龍宮城にいるような感覚がした。
ここもまた
龍宮城?
アザラシがアイコンタクトをしてくるのには
参った。
大好きだよ‼
白内障のゴマフアザラシが別の水槽にいて
看板を見て
『え!白内障なんだって!35歳だって?
長生きしてね!』
そう言ったとたん
そのゴマフアザラシが浮上して
いきなり
こちらにニンマリ微笑んでみせるのだ。
ああ
通じているのだなあ。
最後に
イルカのショーを見た。
18年前
御蔵島で野生のイルカとドルフィンスイミングしてからは
イルカは大洋を自由に泳ぎ回るからステキなのだ。
閉じ込められた、イルカのショーなんて
と
ある意味毛嫌いしていたのだけど
生き生きと演技しているような
カマイルカを見ていると
なにか、
喜びで全身溢れているように感じた。
いつまでも
この喜びを身体で表現して欲しい、と
心底、願ってしまったんだ。