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郭公なくや雲雀と十文字

ホトトギスの声を

今年初めて聴いた。

河口湖総合公園。
やはらかな新緑が目に心地よい。



ホトトギスは、時鳥と漢字ではあて字するが
江戸時代の俳人である
向井去来は
郭公(カッコウ)と書いて
ホトトギスと読ませる。

 郭公なくや雲雀と十文字  向井去来

このあたりではまだ遅咲きの桜が満開だ。
ケヤキのなんという柔らかい芽吹き 

八重桜
下をみれば未だ
春の女神の足音。
ホトトギスの声は初夏を告げるというのに。

『究極の一句』より
『向井去来はいわずと知れた松尾芭蕉の高弟。その作風は蕉風の極致に達したといわれる江戸前期の俳人であるが、この句の新しさはどうか。
 古来より四季を代表する季題として、春の花、夏の時鳥、秋の月、冬の雪が挙げられるが、花・月・雪の三つは視覚に訴える季題であるのに対し、時鳥は聴覚で愛でるもの。
 「帛を裂くが如し」といわれる時鳥の鋭い鳴き声に、揚げ雲雀の長閑な鳴き声を対比している。時鳥の声を水平に、雲雀の声を垂直に捉え、十文字をなしているという。非常に近代的な鋭い感性を感じる。


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