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Channel: トヨタマヒメ富士日記
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御神火の島へ ⑤ 今なお台風の爪あと

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大島火山研修二日目


あの台風26号の土石流の災害はどれだけ復興しているのだろうか。

前日、わずか車で一時間で一周できるこの島で

土石流の災害にあったのは

「元町地区」


その元町地区はもともと、過去の溶岩流の上に新しい火山灰やスコリア(火山礫)が

降り積もっている地区で

もともと流れやすいのだそうだ。


しかし

ここでも想定外!

噴火を想定して溶岩流を海に誘導する「導流堤」は

400Mほどの雨による土石流をも想定していたという。

しかし、いまだ経験したことのない大型台風は

大島に800Mの豪雨を集中的に降らせた。


わたしたちが宿泊したのも元町地区だったが

紙一重の境で土石流を免れたのだ。


宿泊先の「みなもと」から歩いて2分のところは

瓦礫置き場になっていた。

ぺしゃんこになった車もあり

土石流のすざまじさを物語る。


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死者39名、行方不明者4名
それがこの時点での悲しい数字である。

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N谷さんは、三原山のトレッキングの前に
こちらの災害現場に連れて行ってくれた。

台風のあった日
町長が壱岐に出張に行っていたことは報道にあったが
それにN谷さんらも同行していたという。
「ジオパーク」の会合があったのだという。

「町長が島にいても、どうしようもなかったと思いますよ」

災害ボランティアの受け入れ先にもなっているN谷さんは
わたしたちが報道で見ている以上に当事者であるし
この島で生きている人々とともにあるのだろう。

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数日前においたと思われる
白い花束があった。
合掌・・・

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「ここはものすごい場所だったんですが
すっかり片付けられていますね。」


そうなんですか・・・・


わたしたちは言葉を失う。


台風、竜巻、地震、火山噴火・・・
わたしたちの麗しいこの列島は
ときおりこのように牙を向くのだ。


でも
この国を捨てない。
この国土で生きていく。

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この島にはたくさんの猫がいた。
みんな太っている。

そうして飼われているわけでもない地域猫がたくさんいる。
暖かいこの島では、まわりを海に囲まれて
のびのびと暮らしているらしい。

写真は、港で船をまつ災害ボランティアさんのバックの上で
どうどうと休んでいるチャトラン?


面白い話を聞いた。


土砂崩れの片付けをすると
人間だけではない、たくさんの動物たちも被害にあっていたようだ。
きょんという鹿の仲間
台湾リス
いずれも外来種であるがここの自然にすでに溶け込んでいる。
それら野生動物も土石流に巻き込まれていたという。


そして飼い犬
かわいそうに、彼らもまた被害にあっていたという。


ところが
猫の死骸がひとっつも見つからなかったというのだ。
あんなにたくさん人目につくというのに。


猫、恐るべし。
土石流を事前に察知できて
どこかに逃げ込んだのだろうか。




さて
いよいよ
この旅もクライマックスに向かいます。


三原山カルデラ
そして噴火口


御神火さまにお目通りです。


つづく

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