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富士もまた〜 その⑤ 『ヤマトとトミシの戦い』

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23年も前に
発売された本が
なんと、、現在のわたしに
驚愕の思いを運んできた!


一昨日のこちらの記事の続きとなります。

8月の終わりに
出羽國(秋田、山形)の、鳥海山と唐松神社に行ったことがきっかけで
すべてが始まった。

帰って来て、アソヤマ神宮の宮司のお話を聞いたら
『鳥海山は、トミの山』
との謎の言葉を聞き

トミ族の山

諏訪のミナカタトミ
トミのナガスネヒコ
なる、キーワード。

トミ族とは何ものか?

すると
ある図形から
伊勢神宮の『伊雑宮』がどうしても気になる。

トミ族に関してのヒミツが隠されていそうで。

伊雑宮に祀られている神さまを調べたところ
『イザワトミ』


それって、どなた?
ということで
調べてみれば
出て来たのが
『倭姫をこの地に案内したこの土地の首』

え?
倭姫???

そういえば
わたしの敬愛する漫画家
美内すずえさんの『アマテラス』のシリーズで
番外編ともいえる『倭姫幻想まほろば編』というのが、本棚にあるはずだ。

発売されたのが
23年前。

購入したのも
23年前。


購入した年に何度か読んだかもしれないけど、
それからずっと
読んでいなかった!!!



『アマテラス』本編の方は
富士山や龍宮が出てくるので
こちらに移住してからも何度か目を通してみたのだけど
この『倭姫』は
すっかりストーリーを忘れていたのね。

で、
23年ぶりに読んだら…

驚愕しました〜〜!!!

もうね、
今!
いま必要なキーワードがてんこ盛り‼︎


少し長くなるけど、
そして、ネタバレになってしまうけど
『アマテラス  倭姫幻想まほろば編』のストーリーをお話しますね。



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冒頭のシーンは
三輪山。

そこで主人公は
不思議な体験をすることによって
古代と現代の橋渡しをしてしまうというお話。



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冒頭から
『一二三四五七八九十もちろらね』

富士 と 鳴門は
ここでは暗喩的に出てくる。

主人公とは、雑誌社に勤める駆け出しのカメラマン、『大庭 直日古』

式年遷宮を迎えた伊勢神宮を記念して
雑誌社で、20数箇所ある、元伊勢を取材しようということになり
カメラマンと編集者の都合で
たった一人で
取材旅行をすることになってしまう。


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(この漫画では25ヶ所となっているが、この図では23ヶ所となっています。)

はじめに行った三輪山『大神神社』にて
主人公は不思議な体験をする。


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三輪山そのものを祀る拝殿が、光って見え

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そして
光の渦巻きが
山とその上空に
ボルテックスを描いているのを見る。

(富士と鳴門を思わせる)

このあと
大神神社の近くの
元伊勢
『桧原神社』にて
カメラのシャッターを切ると
古代にタイムスリップしてしまう。

そこには、従者とともに 幼い倭姫と、トヨスキイリ姫が神事をしていた。
そこで、ふたりの運命を知る。


シャッターを切ると、
また現代にもどる。

その後、町を歩いていて、
直日古は、古道具屋で、
謎の老人と外人に出会い
(それは、なんとアマテラス本編の、白上老とジュリアスなのだ。だからこの『まほろば編』も、実は、本編の番外編なのだと行くことに読者は気づく。)

そこで、
三輪山に祀られているのは何ものか、
の話を白上老から聞くことなる。
オオモノヌシ
ニギハヤヒ
白い蛇…
三輪山でみたものは(光の渦巻き)
その姿だったのだろうか…


(いくつもの『元伊勢』を取材のため回る直日古だが、タクシーが道を間違えたり、バスに乗り間違えたりして
重要な場所に次々と連れて行かれる下りは
目に見えない存在が導く典型的な手法なので、思わずわらってしまいます)

やがて
11番 神戸神社へ行く途中で
ファインダーの中に、倭姫たちの巡行の様子を見てしまい、古代のその場所を探し出すと


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古代の神事を見てしまう。

石で、丸に十字!!!


そして
12番 都美恵神社へ向かう途中
姫は鷹に襲われ
その鷹を弓で仕留めて姫を助けた若者。

その名は
『ヤヒコ』!!!
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ヤヒコはなんとこのあたりの族長ホクラノムラジの息子なのだが、その母は、ヤマトと敵対していた『トミシ族』のもの。

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ヤマトのイワレビコがこの地に来たとき、
トミの里にいたナガスネヒコが抵抗して破れた話。
イズモ族とともにヤマトにさからおうとする
『まつろわぬもの』!!!


再び現代にもどり
12番 都美恵神社に向かう直日古が気づいたのは

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ナガスネヒコの残党 トミノ族の住んでいた
伊賀の柘植に、元伊勢がある?

なんと!
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『なんと、ぼくは、ヤマトと敵対するトミノ一族の砦の真っ只中にいたのだった。』


続く…

と、
この後の続編は、23年たった今でも
まだ描かれていないのです。

噂によると、チャネリングで美内すずえが描いていたこの漫画は、もう降りてこなくなったので描けない、とか。

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発行の日は
1994年9月17日。

ちょうど一週間前の日曜日、
本州を台風18号が縦断した日でもある。


本を閉じて
唖然としました。

なんなの?


オオモノヌシ
ニギハヤヒ
ヤヒコ
ナガスネヒコ
イズモ

そして

トミノ族…

トミノ族とヤマトの戦い…

このシーンで23年前に終わってしまった
『倭姫幻想まほろば編』


この物語の主人公のように
わたしもまた、目に見えない何ものかに導かれ
翻弄されてらいるのかも知れないなあ、

本を閉じて
そんなことを思いました。

しかしそれも
『約束』を忘れているだけ。

こんな記事を書くことも
約束を果たすことのひとつなのかも知れなくて。

それにしても
終わらない、戦い。

日本は世界の雛形とすると
紀伊半島は、アラビア半島だったっけ?

七百年前の
南北朝時代

現在の
南北朝鮮


終わらない
戦い。

とったり
とられたり

なんのために、戦うのだろう。




『アマテラス』の本編で
幼い沙耶が父親に
古事記を読んでもらうシーンで

『イザナギ イザナミの前には
争いはないのね…』

父親が気づきます。

『そうだな、それ以降は、争いばかりだな…
夫婦、姉弟…兄弟…』

神々の争いは
わたしたち人の世にも
投影される。

あるいは、逆なのでしょうか?


たくさんの屍の上に
わたしたちのクニもまた
存在しているのでしょうか?


23年前からの
重くて大きなメッセージ。










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