生まれて初めて
“MRI検査”なるものを受けた。
じつは、三月末の春分の日前後の
樹海の過酷な8時間×三日間のガイドで
すっかり膝を痛めてしまったようなのだ。
町医者に通っていたのだけど
いっこうに痛みが収まらないので
ガイド仲間の勧めで
甲府の大きな病院を訪ねたのが昨日のこと。
『明日、MRI検査しましょう』
と、あっという間に決まり
今日となった。
パジャマみたいのに着替えて
カプセルのようなものに入る。
機械の音がうるさい。
宇宙船の内部みたい?
まな板の上の鯉みたい…。
いやいや、違うなあ
宇宙船に連れて行かれて
人体実験されちゃうとか?
いや、そうでもない。
そんなことは、なかった。
初めての経験は
不安を伴う。
電磁波なんでしょ?
嫌だなあ…
早く終わらないかなあ…
膝が鈍く痛み出した。
じっとしていると、痛むのだ。
動いたら、撮り直しですよ、と説明を受けた。
ああ、動かしたい、
寝返りを打ちたい。
機械音がして
なかなかうるさいし
おさまらない。
うんうん
この感じ…
まてよ、
わたしがロボットだったとき…
(そんな過去や未来があるのだろうか?)
膝の部品が壊れて
修理されているときの感覚。
それが一番リアリティがあるように感じた。
そうだ、わたしは有能なロボットだった…。
なんてこと、
あるわけないか…
30分という時間は
10分にも
3時間にも感じた。
ロボットの画像検索をしたら
今日の気分は
こちらが一番近いかな?
昭和のロボットといえば…
こんな感じが
一般的だったよなあ…
(昭和レトロ〜!)
あのカプセルは
宇宙船のような
工場のような…
もう二度といやだなあ
MRI検査。
その後
MRI画像を見たけど
人体ってすごいよね。
(人だけじゃないけど)
だけど、おかげで
治療(修理?)の方向も決まり
しばらくは甲府に通うことになりそうだ。
明日もいきなりガイド仕事が待っている。
いよいよ、シーズンに突入してしまったのだ。
限りある肉体を
大切に、大切に扱いながら
末長く仕事をしていけるといいな。
魂の入れ物としての
わが肉体に感謝。
そして
物にも魂が宿っている、というのは
ほんとうなのだろうな、
そんなことを脳の片隅で感知した一日だった。