始めから
ここに来ることが決まっていたかのように
すんなりと来れてしまった
『花の窟(いわや)』
なにしろ
カーナビで
『那智の滝』といれたら
獅子岩も
花の窟も
目の前を通ることになったのだから…
まあ、もちろん
ここは伊勢から熊野へ向かう
神話の国なのだから
当然といえば、当然なのか?
(神話の世界、といえば、九州だけど、
ここ、大和から熊野にかけては
地名相似が広がっていることはご存知だろうか。
地名相似、とは
同じような地名が
同じような位置でつながっているのだ。
このお話は、また別のときに。)
どうも、おかしいぞ、
この展開は。
だって
イザナミの御陵との伝説がある
窟ですよ⁈
(画像をお借りしました。)
日本神話は
ときに残酷で
迦具土(カグツチ 火の神)を産んだあと
ホトを焼かれて
イザナミは神去りたまふ。
だが
大地母神
国産みの母なのだ。
まあ、
神話は神話としましょうか…。
わたしはその
奇岩?
巨岩に会いたいのだから。
拝殿のみで
本殿は、巨岩!
拝殿をくぐらせていただこうとした
そのとき、
ものすごく良い香り。
なんと、稲縄が
何十本も
ぶら下がっている。
10月2日に執り行われるという
奈良時代から行われている
最古の神事、
『花の窟では年2回、例大祭を行います。神々に舞を奉納し、日本一長いともいわれております約170メートルの大綱を岩窟上45メートル程の高さの御神体から境内南隅の松の御神木にわたします。この「御綱掛け神事」は、太古の昔から行われており「三重県無形文化指定」されています。』
へええ〜。
なんで、このような巨岩に
縄を掛けるのだろう。
調べたところ
あるとき流されて
代わりに、縄を掛けたのだという。
あるいは
縄は、呪術に等しく
例えば、注連縄のように
何かを、つなぎとめる?
たしかにここにも行った。
夫婦岩‼
こちらも呪術なのか、
つなぎとめるための。
さあ
拝殿をくぐれば
この巨岩‼
宇宙人みたい!
隆起と浸食による
まさに
大地母神の顕れ…。
明らかに
ホトを具現化しているようだ。
こちらから、見上げる。
お水をつなぐ。
そして
向かい合う、カグツチ。
お水をつなぐ。
そう
母と息子が向かい合い
ともに祀られる。
大地母神と
火の神
親子。
『伊弉冊尊(イザナミノミコト)
日本書紀では伊弉冉尊(イザナミノミコト)と記されている。(『古事記』では伊邪那美命)
日本神話の大地母神であり、人間の寿命を司る黄泉津大神である。同時期に生まれた国之常立神、豊雲野神、宇比地邇神、須比智邇神、角杙神、活杙神、意富斗能地神、大斗乃弁神、淤母陀琉神、阿夜詞志古泥神、伊邪那岐命と並んで「神世七代」と称される。『記紀神話』では、伊弉諾尊(イザナギノミコト)と共に天津神に国造りを命じられ、大八島国(日本の国土)と大事忍男神ら35の神々を生むが、軻遇突智尊(カグツチノミコト)を生むときに火傷を負い、それがもとで神逝る。』
伊奘冉尊、火神を生む時に、灼かれて神退去りましぬ。故、紀伊国の熊野の有馬村に葬りまつる。土俗(くにひと)、此の神の魂を祭るには、花の時には亦花を以て祭る。又鼓吹幡旗を用て、歌ひ舞ひて祭る。
10月2日
ここには
たくさんの花々が供えられ
新しい縄が掛けられるのだろうか。
熊野信仰の古代のカタチが
ここだと言われているけれど
死者を弔う
あの世とこの世をつなぐ
補陀落浄土の信仰は
あんがい、
日本神話の奥底にあるのかも知れない。
本質を垣間見たような気がしたところで
先を急ぎます。