またまた、不思議な巡り合わせで
今日は、ある場所を訪れることになりました。
河口湖の北岸にある
大石公園の入口にある
『工房 木夢(こむ)』
気になっていたのです。
ここのところ、インテリアに関する取材をするお仕事を頂いて
そのリストの中に
こちらが入っていたのです。
ワクワクして
突入取材を試みました。
ところが、予約制とのこと。
予約はしていなかったのですが
富士山の丸見えに見えるステキなベランダで
オーナーの吉野崇裕さんが作業をされていましたので
事情をお話したら
ギャラリーを開けてくださいました。
最初の部屋は
『世界にひとつの椅子』がオーダー出来る
椅子の部屋でした。
四つの椅子が並んでいて
あなたの身長は?と聞かれ
163センチです、と答えると
では、二番目の椅子に座ってみてください、と言われました。
『座りごこち』はどうですか?
吉野さんはにこやかにそう尋ねるのです。
うわー!
気持ちいい‼
なぜ???
『骨盤と頭が垂直にあることが
人は一番リラックス出来るんです。
座禅を組んでいる状態です。』
へえ~!
そうなんですか?
こちらは座高を測る機械のようですね!
人間工学に基づいているのですが
吉野さんの考案したこの椅子は
東洋の叡智に基づいて、でしょうか
『ZEN』と名付けられ
世界中から、オファーが来ているようです。
次の部屋は
こちらも、自分の好みの天板を選んで
オーダー出来るようです。
この方が吉野さん。
森から木を切り出し、畑を耕し、すべてを循環させる仕組みを弥生時代から明治の中後まで行っていたんです。
西洋の、石油依存の文明の仲間入りをするまでは…』
ああ、わかります、わかります。
(この方は
まだ森の民でいらっしゃった。)
大木が朽ちると、中から腐っていくので
外側の部分だけが残ります。
(森の中で、よく見ることがあります。)
それを、外側だけ
椅子やテーブルに仕立てたもの。
素直に従うと
うわ!
木に抱かれているようですね‼
とんでもない、この方の世界感!
これは、樹海の木の根っこなんです。
この木が伐採された。
その根っこは廃棄処分されることになったけど、縁あり
貰い受けて、テーブルとして命を吹き込んだ、そうです。
小さな椅子のミニチュアがならんでいました。
椅子のデザインをする際
五分の一のスケールで、作ってみるそうです。
作業しているところも
見せて頂きました。
こうして
世界にひとつの
自分だけの椅子ができるのです。
あのう
おいくらくらいなのでしょう?
12万円から、だそう。
それを、高いと感じるか
安いと感じるか
椅子をオーダーされた方の中には
腰痛が治ったり
肩こりが完治したり、と
嬉しい報告があるようです。
木の声を聴き
木に新しい命を吹き込むことができるかたは
そう多くはありません。
いつか、お金のいらない世界になって
物々交換の世になれば
わたしも、こちらの椅子に座ることができるようになるかもしれません。
祝福のように
コブシが開花していました。
今年の初見です!
このおじさん、
富士山の前でご満悦そうでした。
良かったね!
工房 木夢は
予約が必要ですが
ぜひ、富士山にいらしたら
寄って頂きたい場所です。
そこには、木の声を聴くことのできる
本物の職人がいます。