だけど、
どうして今までここを知らなかったんだろう。
親切なおじさんにここまで連れてきて頂き
この広大な縄文遺跡がすでに埋め戻されていたことを知った友人は
かなりがっかりした様子だったけど
次に言ったのは
その言葉だった。
すでに埋め戻されていたことを
わたしが言わなかったのは
それじゃあ行ってもしょうがない、と言われるのを避けたのだろうか?
三内丸山遺跡が1994年に歴史上の大発見とされるまで
ここ、阿久遺跡は
20年間も、国内で最大の面積を持つ
縄文遺跡であったのだ。
そして
現在でも
環状列石としては
日本最大であり最古であるのだ。
バブルが弾けた1992年に県営運動場を作るために調査され、発見された三内丸山遺跡は
世紀の大発見とされ
運動場の建設は見送られ
遺跡は完全保存され
観光に一役かっている。
一方、1975年という高度成長期に
中央自動車道の建設に伴い発見されたこちらは
中央自動車道の若干のルート変更が余儀無くされたのみで
3分の1の範囲の調査をすませ
全て埋め戻された。
今でも、高速道路の下に存在するのだという。
そこに看板が二つ
ここの重要な意味が隠されている。
右 八ヶ岳
八ヶ岳のこの図の中にある
権現岳の北の峰(旭岳)から
春分の日と秋分の日には
朝日が登るのだという。
環状列石の立石は
正確にその北の峰と
富士山のような蓼科山を向いているのだという。
その権現岳には
太古より
イワナガヒメが祀られているのだという。
石尊権現‼
それで、権現岳。
ここで
またしても
イシとイワに結びついてしまう。
大いなる石組みは
この土の下で
何を思っているのだろう。
続く