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Channel: トヨタマヒメ富士日記
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ココロの旅 『騙されて、ダライ・ラマ その二』

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そのインドの旅は

始めから、散々たるものだった。

まず、
ニューデリーの空港に夜到着するので
近くのホテルに宿泊し
そこで計画を練って
次の日から列車の旅をしようと考えていた。

会社の海外出張か、社員旅行でしか海外に行ったことのないお坊っちゃまのユウヤは
全ての行程をわたし任せにした。

そもそも、インドを選んだのも
わたしが主導だった。

その年のゴールデンウイークに
会社員として最後の海外旅行にネパールへ行ったとき、
チトワン国立公園で、タール族というインド系の人々の暮らしを見たとき
その南の果てにある、インドの大地に思いを馳せた。

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(この時に行ったインド象でのサファリツアー。画像をこちらからお借りしました。)

(こちらのブログさんには
やはりチトワンへ行かれてタール族の暮らしをレポートされています。)



今度はあちら側から
国境を歩いて渡り
再びネパールの地を踏んで見たいと思った。

ユウヤは、全部任せるよといったが
彼の持っている不思議な運に導かれて
この旅はとてもファンタスティックなものになったのだと思う。

まず、空港の観光案内所で
空いているホテルを紹介してもらい
チェックインして暫くすると
片言の日本語を話す、旅行案内所を名乗るインド人が、部屋の電話を鳴らした。

予定は決まっているのか、
無ければ色々案内をしましょう、という訳だ。

観光案内所か、タクシーの運転手か、どちらかと、ホテルがグルなのだ。
日本人はお金を持っており、英語もあまり堪能ではなく、旅行慣れしていない。
格好のカモだ。

電話に出たのはユウヤで
途中で代わって断ったのはわたしだったが
彼はすっかり意気消沈してしまった。

わたしもひとりでペルーやキューバに旅行するつわものであったが、こんなケースは初めてだ。

この国は手ごわいぞ。

この旅の予定は
ニューデリーから列車で
ヒンドゥーの聖地  バラナーシーへ行き
ガンジス川で沐浴。
そこからリクシャーで
今度は仏教の聖地  サールナートへ行き
そこからバスでネパールとの国境の町へ。
そこからネパールに入る。
ネパールでは前回行けなかったヒマラヤの入り口、ポカラまで行くつもりだった。

ニューデリーは首都だけあって、混沌としている。人、人、人で溢れている。
長居は無用、早くヒンドゥーの、ブッタの大地を感じたい。

次の日、ホテルをチェックアウトして
タクシーで鉄道の駅に向かう。

バイブルとしていた『地球の歩き方』には
高いチケットを騙されて買ってしまった失敗談が幾つか載っていた。
駅の外の旅行社で買ってはいけない、構内のチケット売り場で買うこと、とあった。
構内には赤帽がいるので、ちゃんとそちらに案内して貰えばよい、とのこと。

よし!駅の構内のチケット売り場ね!

駅に着いたが、流石に首都の大きなステーションだ。
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相変わらず混沌としている。
中は迷路のようだ。
どこがチケット売り場なのだろう。
と、
赤帽が声を掛けてきた。
チケット売り場は何処ですか?と尋ねる。
ライン入りの帽子を被り、腕章をしている。
案内してくれる、という。
親切な赤帽について行く。
すると
どんどん外に向かって行く。
おかしいな~。
ちょっと、ちょっと
構内のチケット売り場ですよ!
すると、場所がチェンジしたのだの言う。
安心しろ、と自分の腕章を叩く。
すると、小さな建物に入って行く。
中に二人の男性がいて
その前に、後からわかったのだが、韓国人の青年が先客でいた。
黄色人種に会うとホッとする。
彼も同じ鉄道の旅をするというのだ。
バラナーシーに行くという。
私たちも、そちらに行くのだ、といい
意気投合する。

そちらで購入した、バラナーシー行きのチケットは
実はとんでもない、シロモノだった。

まんまと
騙されたのだ!

続きます。

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