$ 0 0 一万五千年前から平安時代の初期まで富士山の艮(東北)に存在したといわれる宇宙湖(うつのうみ)9世紀の富士山延暦噴火がその湖を埋めその溶岩から流れる雪溶け水が現在の忍野八海を形作る。その水面を見ていると遠い遠い宇宙湖の記憶が蘇る。豊かな水滴る宇宙峰より流れるくる新名庄川は富士の雪解け水と合流しさらに水を集め忍野盆地を潤して流れる。木槿の花が咲き誇る夏の名残りの川岸は春のまろまろとした陽射しのこの場所とは、別の世界の一こまのよう。春のあの日同じ場所。流れ流れよ富士の水。