あれ?
川中島だって!
カーナビが連れて行く
その先に
その文字があった。
わたしも友人も
歴史にそれほど詳しい方ではない。
でも
川中島の合戦は
言葉としては知っていた。
信玄と、誰なの?
戦ったのは。
わたしよりははるかに詳しい友人が
呆れたように答える。
謙信でしょ!
でも
川中島に行ったことがないのは
二人共通していた。
わざわざ車を降りて
史跡を見に行くほどの
興味は無かった。
千曲川なんだね。
その中にあるから
川中島なのかな?
二人とも
川には興味がある。
妙高に行く時も、日本海に向かいつつ
千曲川は蛇行しながらも
常に流れを見せてくれた。
皆神山まで
あと6キロほどで到着する。
急にトイレに行きたくなった。
史跡公園かなにかあるのかな?
そこ。
よってみる?
友人とわたしの意見が一致した。
あった、あった!
川中島古戦場であると言われる場所が
現在公園になっていて
八幡社あり。
車から降りてトイレに向かうと
いきなり
土産物屋の店先に
大きな
流れるような
ひとつの文字が!
一昨日
昨日
についで
3日目だ!
この漢字。
この時点では
これが何か、
この場所と何の関係があるか知らなかった。
八幡社と書いた
由緒ありげな鳥居がある。
お詣りしてみることにする。
鳥居をくぐると
看板あり。
この場所がまさに
四百年前の
川中島古戦場であるらしい。
戦国時代も源平も
ずっとずっと興味は無かった。
でも
ここまでくると
土地に刻まれた歴史の痕跡、
取ったり取られたりの
『天下』なるもの。
わたしたちの今のこの国は
この男たちの対峙の歴史の上に
度重なる戦乱のその上に
安穏としているもの。
そんなことをにわかに意識する。
そのためにここへ寄った?
ハイハイ、
わかりました。
(はいは、一回でいいから!)
はい。
風林火山の旗。
右、謙信?
毘沙門天の毘と龍の旗?
毘沙門天の旗は何と無く
大河ドラマを見ないわたしも知っていたが
龍の旗はこの場合
龍の旗はこの場合
なんの意味が有るのだろう。
昨日は五十嵐さんが
江戸文字の
龍の凧に関して教えてくださった。
今日の龍の旗は?
家に戻り
『謙信 龍の旗』で検索したら
以外と簡単に出てきた。
毘は毘沙門天、
龍は不動明王だという。
でもなあ。
と
わたしは思う。
八幡社は応神天皇
建御名方神は諏訪の神
毘沙門天や不動明王は
仏法守護の諸天善神。
ではなかったのか?
時が時なら
戦の神へと変身させてしまう人の身勝手さ。
戦勝を神に祈願する?
神は争いなんて嫌い。
(多分)
どちらが勝っても負けても
血が流れるのは嫌なはず
啄木鳥の兵法だかなんだかしらんが
誰ひとりも殺しもせず
殺されもせず
それを神々は望んでいるのではないかしら?
仏さまもそうおっしゃるのではないか?
さらに奥へ向かうと
拝殿の正面に
素晴らしいケヤキの大木あり。
信玄が啄木鳥の兵法を見破られて
悔しさから生えたと言われる
逆さ槐あり。
殺し、殺されたりの
戦勝祈願など
して欲しくはありませぬ。
龍とて同じこと。
たかだか四百年前の人の歴史を
懐深い自然の神々は
どのように感じているのだろう。
この日の朝のニュースでは
イスラエル軍がガザ地区に侵攻、
地上戦に突入したと言う。
そして
ウクライナでは
マレーシア航空機(民間機)が撃ち落とされた。
殺すことは
血を流すことは
破壊することは
どの神々も喜ばない。
そこに正義なんてない。
そうでは無いのかしら?
タイミングを合わせたかのように
この場所に来ることとなったが
そこで何を感じるか
何を思うかは
偶然を装って
いつも準備されているのだなあ。
さて
皆神山まで
あと6km。